2005年09月17日
■ネット販売はいい(E)商売(コマース)?
物を売るということは、物を右から左に流すということになっているようです。
かつて吉田首相は
「商品の流通量がそんなに増えないんなら、間に入る業者をいっぱい作ればいい」
なんて言ったそうですが、
そのかつての卸業者もEコマースのために岐路にたたされております。
とはいえ、通信販売の増加や市場の成熟とともにこれから配送数は伸びるようなので、考えようによってはチャンスなのかもしれません。
さて物販をするということ、仮にそれを「特定商取引法上の屋号を持つこと」または「PL保険をかける主体者になること」というならば、たぶん次の3パターンの形態があると思います。
1つ目は、業者スキップ型。
製造業者が卸業者・小売店をスキップしたり
卸業者が小売店をスキップして中間マージンを圧縮する考え方です。
2つ目は、小売の出店型。
実店舗と同じように販売チャンネルを増やす考え方です。
3つ目は、顧客データベースの活用です。
広告媒体の空き枠で物販をしたり、雑誌のページで販売ページを設けるといった考え方です。前2社の場合もともとの商人の世界の人がやっているものですが、3つ目はわりとシロウト同然なので、それを背景に物販スキームをアウトソースしている場合が多いようです。
ところで、物販スキームとはどのようなものでしょうか。
大きくわけて「仕入れ」「決済」「配送」があります。
おもわずすっげえやりたくなっちゃう百科事典的羅針盤。もうこれであなたもロックミュージックのさまよえる子羊になりません。
まず仕入れ。
多くのユニークなサプライヤー(製造業者)をそろえる必要があります。
ディノスや、千趣会は、アパレル業界でいう「セレクトショップ」の役割をしています。ほとんど委託販売という手法をとり、客から注文が入ると、サプライヤーから商品を倉庫に送ってもらいます。これは大切な顧客データベースを守るため、サプライヤーは注文者の情報を知る由もありません。
だからリードタイム(商品到着までの日数)が長く設けられているんですね。
通販の場合、仕入れ価格(下代)は小売価格(上代)の5〜6割に落ち着くようです。やはり顧客情報を握る方が優位だというあらわれです。自分で売れば10割で売れるわけですけど大変だということです。
「既存の卸業者」たちは不況を時代のせいにしてるかもしれませんが、このように顧客のフロントに立てば、息を吹き返すチャンスはいくらでもあります。
次に決済。
決済というと「代引き」「郵便・コンビニ後払い」「銀行振込前払い」「クレジットカード」があります。銀行振込をのぞくとそれぞれ契約が必要です。
代引きは利用している配送業者(佐川・ヤマトなど)と契約を結べばいいだけですが、その他クレジットカードやコンビニは決済代行会社(アプラス・ベリトランスなどが)と契約を結び、さらにそれを行うためのモジュールの提供を受けてECサイトに組み込まなければなりません。しかも決済代行会社によって提携しているカード会社や手数料率が違うので複数選ぶ必要もあります。(たとえばアプラスはコンビニ・郵便振替。各カードはベリトランス。というように。)
もちろんECサイトではちゃんと代金を回収したかチェックする「消しこみ」作業するための機能をこしらえないと商売になりません。
このようにECサイトの仕組みを持つことは容易なことではありません。
最後は配送。
これは配送業者と倉庫会社を手配すればいいだけです。
なんて書いてしまいましたが、これも厄介です。
誤配送や誤ピッキング(商品梱包)で取り返しもつかないことになります。
「これは倉庫会社のミスでして。」なんて顧客に言い訳はできませんから。
本格的な通販をやるとなるとコールセンターの手配も大切です。
だいたい電話窓口がある業務はコールセンター会社にアウトソースするものです。社員をあてるにはリスクがあるからです。
通販の場合、顧客に接する最前線は倉庫だったり、配送業者だったり、コールセンターだったりします。自社社員のコントロールは給料払ってますからある程度いくでしょうけど、そんな感じで甘くみていてディレクション能力がない会社が通販をすると命取りになります。土建会社が鳶職を従えるのと同じです。
経験がなければないほど彼らになめられてしまいます。
こういうわけで物販スキームのアウトソーシングが成り立つのです。
とはいえ。Eコマースへの参加は比較的容易になってきました。
一番手っ取り早いのが、楽天・ヤフーストア・ライブドアデパート等のショッピングモールへの出店です。出店料と売上成果報酬料率がかかりますが、デパートと同じでトラフィック量や利用者の質を見極めればいい商売ができます。
モールに出店しても、やはり自前でECショップを持つことをオススメします。
インターネットのモールの場合、紙媒体の通販やデパートと違い、配送は店舗オーナーにゆだねられるので、購入者へ積極的なDMアプローチができますし、
自前店舗を紹介できるからです。逆にしかりで、自前店舗だけではトラフィック量が知れてますのでECにリテラシーの高いユーザを集める有名モールに出店しない手はありません。つまり、「仕入れ」と「配送スキーム」さえあればあとはどうにでもなるわけです。
自前でECショップを作るのも随分ハードルが低くなってきました。
以前は商品紹介ページまで自前でHTMLを作り、購入ボタンの指定先だけ設定すればいいという「ショッピングカート」のASP(たとえばEストア。)が主流でしたが、今は商品データを管理画面上で打ち込めば自動でショッピングサイトができるというEC構築ASP(豊作くん、エンプレックスなど。)も出回るようになりました。
一般者がやるのであればオークション(ヤフーやビッターズ)が手っ取り早いでしょう。
まあやっぱり、
結局のところは、商売の基本である「商品力」がこの世界でも重要です。
ECの最重要ポイントは「仕入れ」です。
アプローチできる顧客データリストがあって物販をやろうと思っても、
そもそもその物販のために顧客が集まっているのではないですからね。
とはいっても「商品力のあるもの」で商売を始めるのはできず、
次第に商品力を上げていくしかないのはどこの商売でもおなじですから、
どうやってそれをやるかですね。
簡単に参入できるEコーマス。(スキームはアウトソースできるしね。)
だけど、モール出店や、オークション出品、キーワード広告出稿、SEO対策、サイト更新、顧客とのリレーションシップ(メールを馬鹿うちすればいいってもんじゃないしね。)、キャンペーン(リピーターには優遇しなきゃいけないしね。)など、いろいろ。やることは近所の商店街のオッサンがやることと所詮同じです。
商店街への出店(モール出店)、在庫一層セール(オークション)、タウンページへの出稿(キーワード広告)、商店街の案内板の登録(SEO)、商品陳列(サイト更新)、ポイントカード(リピーター対策)。
ほらね!
肝心なことは「飽きない」で「商い」をやることですね。
(つづく)
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